大豆と小麦、麹菌を入れた麹蓋を、麹室の中に並べていく畑さん=小矢部市浅地の畑醸造

大豆と小麦、麹菌を入れた麹蓋を、麹室の中に並べていく畑さん=小矢部市浅地の畑醸造

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伝統のしょうゆ寒仕込み レンガ造りの麹室で作業

北日本新聞(2021年1月28日)

 全国でも珍しいレンガ造りの麹室(こうじむろ)を用いた昔ながらのしょうゆ造りを続ける畑醸造(小矢部市浅地)で、寒仕込みが最盛期を迎えている。27日も従業員が伝統の作業に精を出した。

 同社は1929(昭和4)年の創業から手作り製法を守り、特別生産の限定しょうゆ「極寒仕込み 北陸」を販売している。水と空気がきれいで雑菌が繁殖しにくく、麹の温度を管理しやすい1~3月に仕込みを行っている。レンガは保温保湿に適しているという。

 小矢部産大豆と高岡産小麦、麹菌を混ぜて麹蓋(ぶた)と呼ばれる木箱に入れ、高温多湿の麹室で3日間寝かせる。沖縄産の自然塩の塩水を混ぜて3年間発酵・熟成し、香りとうま味を出す。

 1月11日から4人で作業をしている。27日は麹菌と、大豆100キロ、小麦100キロを混ぜ合わせ、麹蓋に入れて麹室に運んだ。4代目で専務の畑彰さん(46)は「大雪の影響で気温が低いため、いい麹ができそうだ」と話し、熟成への手応えを感じていた。

 商品は関東圏の高級スーパーや飲食店などに納入する。工場横の直売所でも扱う。工場見学も受け付け、問い合わせは同社、電話0766(61)2111。

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