氷室小屋に雪を詰める関係者=湯涌町

氷室小屋に雪を詰める関係者=湯涌町

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氷室仕込み、ライブ中継 金沢・湯涌

北國新聞(2021年2月1日)

 湯涌地区の冬の風物詩「氷室の仕込み」が31日、湯涌温泉の玉泉湖畔にある氷室小屋で行われ、関係者約20人が2年ぶりに雪を詰めた。新型コロナの感染防止対策として、小屋付近は見物客の立ち入りを制限。仕込みの様子は金沢湯涌夢二館前広場に設けられたモニターでライブ中継された。地元住民ら約100人が見守り、来年の参加に期待を寄せた。
 お清めの儀に続き、湯涌温泉観光協会の安藤有(たもつ)会長、山野之義市長らが幅4メートル、奥行き6メートル、深さ2・5メートルの氷室小屋に木製のスコップで雪をかき入れた。 夢二館前広場では、県内外の湯涌ファンでつくる「湯涌サポーターズ」がモニターを用意し、仕込みの様子を映した。安藤観光協会長は「今年はたくさん雪が積もったので一般の方にも参加してもらいたかった。来年こそ例年通りの仕込みができることを祈っている」と話した。
 広場には飲食ブースが設けられ、氷室まんじゅうや温泉卵、総湯「白鷺(しらさぎ)の湯」の入浴回数券が販売された。金沢百万石太鼓の演奏もあった。
 1月の「氷室の仕込み」と6月の「氷室開き」は加賀藩が冬に雪を貯蔵し、夏に江戸まで運んで将軍家に贈った風習を再現する。一時途絶えたが、1986年に湯涌温泉観光協会が復活させた。
 昨年は記録的な暖冬の影響で、氷室小屋に雪を詰めることができず、復活以来初の中止となった。今年は小屋周辺に1メートル以上の積雪があり、仕込みには十分な量となった。
 6月30日に氷室開きを行い、取り出した雪氷は7月1日以降、市役所や県庁、加賀藩の屋敷があった東京の板橋、目黒、文京の3区に贈られる。
 今年初の試みとして、氷室小屋に湯涌産の酒米で作ったやちや酒造の地酒「白鷺」も雪と一緒に仕込んだ。
 関係者によると、低温多湿の氷室で保存することで、まろやかな甘みが出ることが期待される。地酒は720ミリリットル入りの瓶60本を入れており、氷室開きで取り出して地元住民らに振る舞われる。

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