初めてそろって咲いた野々市ゆかりの太平の里(左)、宗円(右)、野々市(下)=野々市市ののいち椿館

初めてそろって咲いた野々市ゆかりの太平の里(左)、宗円(右)、野々市(下)=野々市市ののいち椿館

石川県 花・紅葉

ツバキ3品種そろって開花 椿館で「野々市」「太平の里」「宗円」

北國新聞(2021年2月3日)

 野々市市の花木ツバキが観賞できる市施設「愛と和 花のギャラリー ののいち椿(つばき)館」で2日までに、市内で生まれた「野々市」「太平の里」「宗円(そうえん)」の独自3品種が初めてそろって開花した。今年11月の市制施行10周年に向け、市が2年前から探していた品種で、愛らしい姿を見せている。独自4品種のうち、残る「庵(いおり)の露(つゆ)」はまだ見つかっていないが、取り組みは少しずつ実を結んでいる。
 施設は2017年、市中央公園に整備されたツバキ関連施設で、約300品種、約700本が植栽されている。開館以来、展示していた地元ゆかりの4品種は野々市だけだったため、19年から残る3品種を本格的に探し始めた。
 宗円は19年夏に2鉢が見つかり、太平の里も市内の愛好家が育てていた4鉢を遺族から同年秋に譲り受けた。太平の里は幹の皮をめくって根を出させる「取り木」の繁殖方法で栽培。昨季は成長過程だったため、つぼみを付けなかったが、今季は見事に濃い赤色の花を咲かせた。
 今季も野々市はトキ色の花、宗円は淡い桃色の花を咲かせ、3品種の開花が初めて実現した。
 日本ツバキ協会野々市支部事務局長で椿館を管理する髙見重任(しげとう)さん(66)は「庵の露は残念ながら見つかっていないが、野々市ゆかりのコレクションがそれぞれ違う花を付けてくれた。多くの人に見てもらいたい」と話した。花は来週中まで楽しめるという。
 庵の露は11月の市制施行10周年に向けて引き続き、探すことにしている。

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