能登町が整備を進めてきた国重要有形民俗文化財の木造船「ドブネ」や船具を展示する「能登内浦のドブネ収蔵庫」の完成式は3日、同町真脇の収蔵庫で行われ、約30人が定置網漁の歴史文化を継承する拠点施設の完成を祝った。
旧真脇小グラウンドに設けた収蔵庫は平屋建てで、床面積428平方メートル。長さ約14メートル、幅約2・4メートルのドブネ3隻のほか、櫓(ろ)や櫂(かい)をはじめとした操船具類41点、船大工道具など134点を収める。2015年12月に着工し、16年10月に完成した。老朽化したドブネの修復作業も進められ、今年度に完了した。
式では持木一茂町長が「能登町と密接な関わりを持つ海の文化と先人の残した貴重な文化財を後世に伝えたい」とあいさつし、出席者が館内を見学した。
ドブネは藩政期から1998年ごろまで定置網漁で使われ、ブリなどの漁獲物や網などを運んだ。98年に国重要有形民俗文化財に指定された。収蔵庫の見学希望は真脇遺跡縄文館で受け付ける。