魚の多様さを紹介しながら、さばき方を子どもたちに指導する(左から)浜多さん、濱多さん=魚津総合公園無料休憩所

魚の多様さを紹介しながら、さばき方を子どもたちに指導する(左から)浜多さん、濱多さん=魚津総合公園無料休憩所

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未利用魚活用へタッグ 魚津の料理人・漁師

北日本新聞(2021年2月8日)

 魚津市釈迦堂の飲食店「浜多屋魚津駅前店」の濱多雄太代表(36)と同市本町の漁師、浜多虎志(たけし)さん(46)は、エソ、アイゴなどの「未利用魚」の活用を進めている。温暖化による海水温の上昇や、コロナ禍といった環境変化に対応するため、食への意識を変えるきっかけにしたい考えだ。

 エソはかまぼこの材料などに使われるが小骨が多く、アイゴには独特の臭みや、ひれのとげに毒がある。いずれも処理が面倒なためニーズは低く、魚津沖で網に掛かっても捨てられることが多かった。浜多さんは「どちらもおいしいのにもったいない」と感じていた。

 一方、全国的には近年、未利用魚を活用する動きが広がっている。地元のつながりを生かして活用したいと考えていた濱多さんは、浜多さんと意気投合。エソでだしを取ったラーメンを1月から店で販売し、アイゴの刺身も時々出している。

 2人は7日、魚津総合公園(魚津市三ケ)の無料休憩所で開かれた「おさかな学校」で、魚のさばき方やエソを使ったラーメンの調理を子どもたちに手ほどき。「普段食べていなくても実はおいしい魚がたくさんあります」と呼び掛けた。

 浜多さんは、水揚げされる魚の種類が変わったり、漁獲量が不安定になったりするなど海の異変を感じており、「意識を変える必要がある」と言う。濱多さんも「やがて食べられなくなる魚があるかもしれない。価値がないとされていた魚に目を向けたい」と話す。

 コロナ禍で飲食業、漁業共に打撃を受ける中、未利用魚の活用は双方に利点がある。濱多さんは「危機を乗り切るため、職種を超えた地元のつながりを大切にしたい」と前を見据えた。

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