滞在飯を試食する関係者=中能登町高畠

滞在飯を試食する関係者=中能登町高畠

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移住促進へ胃袋つかむ 中能登町、発酵食で「滞在飯」

北國新聞(2021年2月11日)

 中能登町と町内の宿泊関係者が10日までに、中能登への移住希望者向けに、旬の地元食材を用いた「滞在飯」を開発した。かぶらずしやしょうゆ糀(こうじ)で味付けした煮物など、伝統的な発酵食を地元の民宿で振る舞い、健康への効用もPRすることで食の面から中能登ライフの魅力に触れてもらう。関係者は「移住の決め手になるよう胃袋をがっちりつかみたい」と意気込む。
 滞在飯は町産のカブを使ったかぶらずしや、甘酒入りのめった汁、しょうゆ糀を使ったダイコンの煮物などの発酵料理を中心に構成する。主食には町産米の炊き込みご飯を用意したほか、昆布や塩、しょうゆなどの調味料も全て町内産にこだわった。
 レシピ作りは、農家民宿「おり姫の宿くつろぎ」のおかみ島喜久子さん、古民家民宿「喜屋」を営む辻屋舞子さん、クラフト教室を主宰する山本直子さんが協力した。滞在飯は今後、両施設の宿泊客に振る舞う。

 町は旅先で休暇を兼ねて働く「ワーケーション」の誘致にも力を入れている。自治体間の誘致合戦が激化する中、中能登がどぶろくなど古くから発酵食の生産が盛んな地域であることに着目。四季折々の地元食材にこだわった「中能登づくし」のメニューを提供し、移住の決め手にしてもらう狙いである。
 1月下旬に喜屋で開かれた試食会では、町職員や観光関係者らが味わい、「中能登の食材をおいしく食べられる」と太鼓判を押した。辻屋さんは「多くの人に能登の風土になじんだ味を堪能してほしい」と期待した。

 町は障害者の受け入れを促すための「移住攻略士」に島さん、辻屋さん、山本さんを任命した。中能登への移住を希望する人が不自由なく生活できるよう、バリアフリーが整備された住宅や観光地などを紹介する。町の担当者は「健常者だけでなく、障害者にも移住先に選んでもらえる町を目指したい」と話した。

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