2019年10月の台風19号で一部崩落した上田電鉄(上田市)別所線の赤い鉄橋「千曲川橋梁(きょうりょう)」の復旧工事で、同社は15日、レールの敷設作業を公開し、途切れていた線路がつながった。左岸と右岸が約1年4カ月ぶりに結ばれ、3月28日に上田―別所温泉間の全線11・6キロが開通する。
上田―城下間にある鉄橋は全長224メートル。軌道工事の専門業者による敷設作業は13日に始まり、崩落した左岸約44メートルを含む100メートル弱にわたってレールを敷いた。この日は雨がぱらつく中、作業員が線路上で台車を押し、長さ25メートル、重さ約1トンのレールを4本運び入れた。
上田電鉄技術員の市村謙人さん(31)は、レールの敷設までこぎつけた工事の経過を振り返り、「多くの応援に恩返しがしたい。電車の運行が楽しみ」と話した。
今後は架線や踏切の設置作業を進め、3月下旬に電車の試験運行をする予定だ。