新潟県長岡市の飲食店と食材の卸業者が、栃尾地域で生産されるにいがた地鶏「虎千代鶏」を使った冷凍ハンバーグを発売した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で出荷が減った生産者を支援しようと開発した。長岡花火の三尺玉にちなみ、300グラムと食べ応え抜群の大玉に仕上げた。通信販売で取り扱い、広く需要を掘り起こしたい考えだ。
虎千代鶏は、栃尾の菅畑地区の特産として育てられている。幼少期を栃尾で過ごした上杉謙信の幼名「虎千代」にちなんだ。地元産コシヒカリを餌にし、ブロイラーより日数をかけて丁寧に肥育する品質の高さが売りだ。年間約2700羽を出荷する。
飲食店向けの高価格商品のため、ウイルス禍による外食自粛や買い控えの影響が直撃。昨年は生産調整で約900羽の出荷をやめた。卸業者も余剰在庫に悩む。
事情を知る洋食店「EUNP リストランテ」(東坂之上町3)の経営者、飯浜祐介さん(38)が家庭で親しまれるハンバーグでの販売を企画。栃尾出身で虎千代鶏の卸業者クリタミートパーベイヤーズ(西宮内2)と取引があったことが縁で、半年かけて共同開発した。
見た目のインパクトと長岡らしさを際立たせようと、三尺玉をイメージした。虎千代鶏のむね肉を50%、別の国産鶏のもも肉を50%使い、地元の塩こうじや野菜を加えた。粗びきの肉には弾力があり、加熱すれば、うまみの詰まった肉汁が溶け出す。
飯浜さんは「花火を見る時のように食べて笑顔になってもらいたい。ウイルス禍で厳しい状況が続くが、飲食店、流通、生産者が気持ちを一つに乗り越えたい」と話した。
3個入り4290円(税込み)。通販サイト「ツクツク!!」で販売している。問い合わせはリストランテ、0258(77)3815。