銅板が張られた金鳳寺の屋根を見学する地元住民。細やかな職人技に感心した

銅板が張られた金鳳寺の屋根を見学する地元住民。細やかな職人技に感心した

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開山500年、銅板屋根に 伊那の金鳳寺、本堂改修進む

信濃毎日新聞(2021年2月22日)

 500年以上の歴史がある伊那市富県の金鳳寺(きんぽうじ)で、本堂の屋根をかやぶきから銅板ぶきに改修する工事が進んでいる。5月に完成する予定で、21日、足場の撤去前に見てもらおうと現地で見学会が開かれた。改修に際して寄付した檀家(だんか)ら約80人が訪れ、生まれ変わりつつある屋根を間近で見つめた。

 寺は1470(文明2)年に開山。3度の火災に遭い、現在の本堂は1814(文化11)年に建てられた。かやぶき屋根は4面を5年に一度1面ずつふき替えてきたが、近年は雨漏りしていた。檀家の19人が屋根改修委員会を設立し、改修方法を検討。地区ごとに住民の意見を聞き、約550戸にアンケートをして銅板ぶきにすると決めた。

 工事は昨年6月に開始。厚さ1・2~1・5メートルのかやぶきを外し、屋根の見た目の大きさが変わらないように木を組んで厚みを出し、その上から銅板を打った。昨年11月の見学会の際、住民らは銅板の裏にペンで「家内安全」などと願い事を書いた。

 銅板を張る作業はこの日までに6割ほど終了。住民らは、職人の手による曲線部分などの丁寧な仕上がりに感心していた。同委員長の牛山清人さん(79)は「檀家の協力で改修ができている。完成が楽しみ」と話していた。

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