20年以上手入れし続けたジオラマ上で鉄道模型を走らせる深沢さん

20年以上手入れし続けたジオラマ上で鉄道模型を走らせる深沢さん

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須坂「鉄博」24年の歴史に幕 国内最大級、車両模型4000両

信濃毎日新聞(2021年2月27日)

 須坂市福島の鉄道模型の博物館「トレインギャラリーNAGANO」が3月14日、24年間の歴史に幕を閉じる。館長の深沢慶一さん(76)=長野市稲葉=が所蔵する約4千両を展示。国内最大級の車両数を誇るとし、ファンや地元住民に親しまれてきたが、自身の年齢から決断した。「これまで多くの人に十分楽しんでもらった」と振り返る。模型の多くは希望者に有償で譲る。

 酒卸業などを営んできた深沢さんは1997年12月、「子どもに感動を与える場所をつくりたい」と、高校生の時から集めていたコレクションを展示する同館を開いた。

 目玉の巨大ジオラマは信州が舞台。善光寺や仏閣型の旧長野駅舎、エムウェーブなどが並ぶ中、日本最初の新幹線車両として東海道新幹線で使われた0系、現在北陸新幹線(長野経由)で使われているE7系の各車両など、約400両がコンピューター制御で走る。壁には北信五岳や浅間山。照明で夜明けから日没までを表現し、夜間を模した走行では車両から室内灯の明かりが漏れるリアルさだ。

 ただ、最近は管理の手間が「体にこたえる」ようになってきた―と深沢さん。頻繁に脱線する模型を線路に戻したり、毎月の清掃では模型を壊さないよう細心の注意を払ってジオラマ内を移動したり。年中無休だったが、新型コロナウイルスの影響で2020年4~9月は休館。10月以降は週4日開いてきたが「潮時かな」と感じていたという。

 開館は、長野冬季五輪を控えて長野新幹線(現北陸新幹線)が1997年10月に開業した直後。1日3千人が訪れたこともあり「館内はごった返していた」。軽快に走る新幹線の模型の操作に熱中する子どもや、古い型の車両を眺めて旅の思い出を語り合うお年寄りが印象に残る。今後は500両程度を手元に残し、自宅に飾るという。

 閉館までの間は火、木、土、日曜の午前10時~午後2時に開く。入館料は大人800円、小中高生400円。有償で譲る模型についての相談、問い合わせはトレインギャラリーNAGANO(電話026・248・4188)へ。

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