8Kで捉えた美術作品の魅力を紹介した倉森さんのトークショー=2月28日、福井県福井市の県立美術館

8Kで捉えた美術作品の魅力を紹介した倉森さんのトークショー=2月28日、福井県福井市の県立美術館

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美術品を8Kで 福井県立美術館で高精細の魅力紹介

福井新聞(2021年3月1日)

 「日曜美術館」や「びじゅチューン!」など美術番組を手掛けるNHKプロデューサー、倉森京子さんのトークショーが2月28日、福井県福井市の県立美術館で行われた。美術品を高精細な8K映像で伝える魅力や制作の舞台裏を語った。

 同館で開かれている「風景画のはじまり~コローから印象派へ」展(福井新聞社共催)の関連イベントとして、NHK福井放送局が企画した。

 ハイビジョン放送と比べ16倍の画素数を持つ8K。倉森さんは、8Kが開発された当初の2016年、仏のルーブル美術館の作品を紹介する番組を制作した。彫刻「サモトラケのニケ」の画像を示し「大理石に含まれる雲母がきらきらと輝き、素材の美しさが際立った」と振り返った。

 仏のオルセー美術館を撮影した番組(19年)では絵画の"発見"を紹介。「マネの作品の隅に小さく描かれたカエルのほか、ミレーの作品ではアップにすると雨上がりの水たまりに、空の青が描かれている。高精細な8Kで撮ったことで、改めて見えた」と語った。

 さらに「8Kの撮影に限らず美術番組を制作してきて、見えているのに見えていなかったことに気付かされることが多い。視聴者が作品を見に行くきっかけになる、扉になる番組を作っていきたい」と話していた。

 「風景画のはじまり」展では21日までの会期中、特設スペースで8Kの上映会を開催している。午前9時半~午後4時半、無料。85インチのモニターで、オルセーやルーブルの作品、日本の国宝を紹介する番組を楽しむことができる。

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