「おさんぽアートミュージアム大野」が展示した靉嘔さんらの作品=福井県大野市元町

「おさんぽアートミュージアム大野」が展示した靉嘔さんらの作品=福井県大野市元町

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大野でアート散策 市民所有の「宝」まちなか展示

福井新聞(2021年3月3日)

 福井県大野市内に数多く残るアート作品に光をと、市民が所有する著名作家の版画作品などを市内に展示する取り組みが進んでいる。無名の若手作家の作品を購入する運動が盛んに繰り広げられた同市。現在、世界的に知られるようになった作家の作品が市内に残っており、こうした"宝"をまちなかに並べ、散策と鑑賞を楽しんでもらおうと、市民有志が団体を立ち上げ、企画した。

 無名の若手作家の作品を市民が購入し芸術活動を支える「小コレクター運動」は、1950年代に全国で広まった。県内では大野市の美術教師が運動の中心人物の1人となり、特に市内で盛んに繰り広げられた。市民が購入した靉嘔(あいおう)さんやキムラリサブローさんらの作品が一般家庭にも保管されている。

 「小コレ運動」から70年がたった現在では作品が劣化しているケースもある。市民や観光客に作品を見てもらい、まちづくりにもつなげようと昨年10月、市民有志で「おさんぽアートミュージアム大野」を設立した。

 昨年末、市街地の空き店舗や空きスペースに会員所有の作品の展示を始めた。これまでに5カ所で靉嘔さん、キムラリサブローさん、オノサトシノブさんの作品計約20点を飾った。一部店舗を除き、夜も鑑賞してもらおうとLEDライトを取り付け「ナイトミュージアム」として約4時間点灯している。

 同団体では3年間取り組む予定で、七間通りや五番通りなど越前大野城が望めるエリアに10カ所程度の設置を目標にしている。代表は「たくさんの作品は大野の誇りであり、宝物。1人でも多くの人に、特に子どもに見てもらいたい。散歩しながら気軽に作品に親しんでほしい」と話している。

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