花粉を集めるミツバチが花の間を忙しそうに行ったり来たり。木祖村菅の吉田地区にあるフクジュソウの群落では、二十四節気の一つで、土から冬ごもりの虫がはいだしてくるとされる5日の啓蟄(けいちつ)を前に、早春を彩る花に誘われた虫が飛び回っている。
国道19号沿いにあり、住民有志が10年以上にわたって株分けや草刈りなど手入れを続けてきた。近くの古畑耕一さん(61)によると、今年は雪が少なかったためか、例年より2週間ほど早く開花した。岐阜県可児市から訪れた山田勝利さん(83)は「毎年ここに来ると春が来たなと実感する」と言う。
これまでは見頃に合わせ、のぼり旗や案内看板を設置してきたが、新型コロナウイルスの影響で昨年に続いて取りやめる。「今年も静かな春になりそう」と古畑さん。現在は6割程度が咲き、3月中旬にピークを迎えそうだ。