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自然災害、火災、戦乱 不死鳥「福井市」史料で見る企画展

福井新聞(2021年3月6日)

 明治期の2度の大火や福井地震など多くの災害を経験しながら復興してきた福井を振り返る企画展「史料からみる福井の災害」が福井県の福井市立郷土歴史博物館で開かれている。テーマを自然災害、火災、戦乱の三つに分け、災害の状況が記された絵図や写真など所蔵する資料33点を展示している。3月16日まで。

 1900年に九十九橋の南側を焼いた「橋南大火」と、2年後に同橋の北側を焼いた「橋北大火」の資料からは、火災の規模の大きさが分かる。同橋付近は、呉服店や食料品店などが立ち並ぶ江戸時代から続く商業地で、一帯が焼き尽くされた結果、商業地が現在のJR福井駅周辺に移るきっかけとなったという。

 48年6月28日の福井地震から1カ月後の大雨がもたらした浸水被害の写真は、街全体が水に浸かった惨状が記録されている。福井地震で九頭竜川や足羽川など市内を流れるほぼすべての川の堤防が崩れていたためで、当時の市総面積の約60%が浸水した。

 幕末の医師笠原白翁が、伝染病の一つ天然痘の予防接種を行うために尽力した様子を記した日記も紹介されている。白嶋祐司学芸員は「相次ぐ災害を乗り越えて現在の福井がある。当時の人の強さを見てもらいたい」と話している。

 企画展は観覧料220円。休館日は8日。

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