青竹の弓矢で的を狙う区民=3月7日、福井県敦賀市高野の白山神社

青竹の弓矢で的を狙う区民=3月7日、福井県敦賀市高野の白山神社

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矢放ち無病息災祈る 敦賀市高野で伝統「毘沙講」

福井新聞(2021年3月8日)

 400年近く前から続くとされる伝統行事「毘沙講(びしゃこう)」が3月7日、福井県敦賀市高野の白山神社で行われた。男衆が青竹の弓矢で的を狙い、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈った。

 旧暦の1月18日に行うしきたり。23戸が持ち回りで当番を務めており、田中健一さん(72)さんらが担当した。午前7時半ごろ、半鐘を打ち鳴らしたり、係の人が一軒一軒回ったりして集合を呼び掛けた。

 宮参りの後、拝殿横で弓打ちが行われた。弓矢は前日に青竹で作ったもの。約10メートル先に直径30センチほどの的を置き、代わる代わる矢を放った。

 矢が的近くに放たれるたびに「おしい」「ええとこや」と声が上がった。ようやく木村一男さん(69)が射抜くと拍手と歓声が上がっていた。木村さんは「やっと当てられた。コロナを乗り越えたい」と話す。田中さんは「ええ年になることを期待している」とほっとした表情を浮かべていた。

 今年は新型コロナウイルス感染予防のため、直会を中止。弓打ち前に水を浴び、身を清める「水ごり」は高齢化などを理由に2006年から休講にしている。

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