初公開されている疱瘡神木像(福井県小浜市文化課提供)

初公開されている疱瘡神木像(福井県小浜市文化課提供)

福井県 敦賀・若狭 その他

疱瘡との闘い伝える、豪商・組屋家ゆかりの史料展示

福井新聞(2021年3月10日)

 福井県小浜市教委の企画展「組屋家の疱瘡神(ほうそうしん)~おばま商人に伝わる神さま~」が小浜市の山川登美子記念館で開かれている。江戸時代の小浜の豪商、組屋家に伝わる疱瘡神木像(高さ10センチ)は初公開。計11点の史料が並んでいる。4月4日まで。

 疱瘡は天然痘のこと。江戸時代に流行し、多くの人を苦しめた。市文化課職員が昨年、福井新聞に寄稿した連載「教えて!酒井家文庫」を見て、県内の個人が自宅で木像を見つけ昨年10月、同課に連絡。同課は借りて公開することにした。

 木像は右手につえ、左手に玉を持ち、歯が2本見えている。「小さいけど造りは精巧」と同課。組屋家でまつられ、人々が訪れて拝んでいったという。

 「疱瘡神御守札(おまもりふだ)」は「若狭小濵組屋六郎左衛門」と書かれている。戦国時代、組屋六郎左衛門のもてなしに感謝した疱瘡神が、六郎左衛門の名が入ったお札が貼ってある家には入らないと約束したとされる。販売か配布されたとみられ江戸時代に人気だったという。

 江戸時代後期の小浜の地誌「拾椎雑話(しゅうすいざつわ)」、組屋家に特権を認めた「京極高次判物(はんもつ)」などもある。午前9時~午後5時。入館料は大人300円、高校・大学生200円。火曜休館。

えきねっと びゅう国内ツアー

敦賀・若狭 ニュース