福井県内で昭和初期に盛んだった人絹織物の歴史を紹介する資料展が、勝山市のはたや記念館ゆめおーれ勝山で開かれている。市内の織物会社の工場や寄宿舎の様子を伝える写真など資料約80点を展示。かつて日本一の生産量を誇った「人絹王国」の姿を学ぶことができる。28日まで。
県織物協組合が制作した冊子「ふくい人絹王国ものがたり」の監修、執筆などに携わった、ゆめおーれと県こども歴史文化館が共催した。
第一次世界大戦の不況を受け、県内の織物業は羽二重から人絹の生産へ転換し成長。1932年には世界初の人絹取引所が福井市に開設され、37年には人絹会館が建設された。
資料展では冊子に掲載した写真や、解説パネルを展示。勝山市の勝山機業兄弟(けいてい)合資会社(現・ケイテー)や合資会社松文機業場(現・松文産業)に関連した資料では、食事風景や女子教育として行われた裁縫教室など、寄宿舎での女性職工の生活ぶりを伝える写真が並ぶ。天皇陛下が工場を視察されたのを記念して作られた写真帳もある。東南アジアなどに輸出するため人絹と絹を混ぜて織った「人絹交織織物」の実物も紹介した。
午前9時~午後5時。水曜休館。無料。希望者には冊子「ふくい人絹王国ものがたり」を贈る。問い合わせは、ゆめおーれ勝山=電話0779(87)1200。