射水市八幡町(新湊)の放生津八幡宮祭の曳山(ひきやま)・築山(つきやま)行事が国重要無形民俗文化財に指定されたことを記念した神事や行事が20日、同宮周辺で開かれた。新湊曳山13基のうち、東町と四十物町、立町、中町の4基が各町から同宮までを往復し、関係者や住民は「国の宝」となった喜びを分かち合った。
曳山行事は「新湊曳山まつり」を指す。格納庫から出た4基は合流し、列をつくって同宮前に集まった。大伴泰史宮司ら神職が曳山をおはらいして祝詞を奏上。2019年10月以来の巡行に、大勢の住民らが見物した。
新型コロナウイルス対策として、全ての曳山を出さず、巡行規模を普段の祭りより縮小。笛を吹く囃子(はやし)方ら向けのマスクを用意したり、曳き子の掛け声「イヤサー、イヤサー」を控えめにしたりした。射水市新湊博物館によると、コロナ禍での曳山巡行は県内初。
巡行前に神事があり、夏野元志市長が指定証書を読み上げ、同宮曳山・築山保存会の四方正治会長に手渡した。放生の舞や、新湊地域出身のテノール歌手、澤武紀行さんによる歌の奉納もあった。大伴宮司は「保存継承へ気持ちを新たにした」とあいさつした。
神事後は、四方会長が「ユネスコ無形文化遺産を目指したい」とあいさつし、夏野市長と石黒善隆市議会議長が祝辞を述べた。鏡割りや新湊めでたの奉唱などもあった。残る曳山の一部は格納庫を開けて見学できるようにした。