福井県越前市五分市町の城福寺で、「花筐」という珍しい品種のしだれ桜が見頃を迎えている。枝先の白い花びらが風にそよぎ、春の訪れを告げている。
同寺がある味真野地区は、継体天皇が即位前に恋人の「照日の前」と過ごした場所として伝えられている。この言い伝えを基にした謡曲「花筐」が、桜の名前の由来になっているともいわれている。
池修住職によると、ことしは例年より数日早く咲き始めた。20日は八分咲きの状態で、近くの住民や写真愛好家らが一足早く花見を楽しんでいた。週明けごろ満開になるという。
池住職は「ことしは雪が多かったが、その後暖かい日が続いたので早く咲き始めたのではないか。今月下旬まで楽しめるので、ぜひ見に来てほしい」と話していた。