5月の城端曳山祭で、ことしの当番町を務める西下町の若連中が21日夜、南砺市城端の西下町公民館で庵唄(いおりうた)を稽古した。同祭は新型コロナ感染拡大防止のため5日の本祭は中止になったが、伝統をつなぐため三味線や篠笛(しのぶえ)、唄の技術を磨いた。
例年、豪華絢爛な曳山と共に、料亭や茶屋を模した庵屋台で若連中が庵唄をうたう。新型コロナの影響を踏まえ一連の行事は中止となったものの、4日の宵祭りは規模を縮小して行う。若連中が各町の軒先で庵唄を披露する「町内所望(しょもう)」などを予定している。
この日の稽古には西下町の若連中「諫鼓(かんこ)共和会」のメンバーやOB10人が参加。「宇治茶」を練習し、夜の町内に粋な音色をしっとりと響かせた。
同会代表で庵連合会長の今井兼紀さん(43)は「これから細部を詰め、本番に向けて唄や演奏を仕上げていきたい」と話した。他の町も稽古に励んでいる。