「越前おろしそば」発祥の地とされる福井県越前市のそば店主ら有志が、愛好団体「越前市おろしそば好上委員会」を結成した。4月のイベントで本格始動し、情報発信や市民交流に取り組む。ボルガライス、中華そばに続いて越前市"3大グルメ"の愛好団体がそろうことになり、互いに連携して地域を盛り上げようとしている。
発足メンバーは、越前めん処「江戸屋」(同市高瀬2丁目)の栗塚明さん(51)ら市内の店主と愛好家の8人。越前市産のそば粉を使ったおろしそばの魅力発信に向け、店舗やそば打ち愛好家と活動の輪を広げていく。4月18日に市庁舎前広場で開かれる新庁舎グランドオープン記念イベントで、販売イベントを計画している。
越前市3大グルメの愛好団体は、ボルガライスが2010年に「日本ボルガラー協会」、中華そばは11年に「温盛(ぬくもり)一杯 中華Mens」が発足しPRに力を入れてきた。おろしそばについては「店もそば好きもそれぞれこだわりが強く、統一した愛好団体をつくるのが難しかった」と栗塚さん。それでも「新型コロナウイルス禍の今だからこそ前を向いて進みたい」と有志仲間と結成を決めた。
22日は市役所で関係者向けの試食会を開いた。実のひき方の異なる2種類のそばを食べ比べ、香りや舌触りの違いを語り合った。日本ボルガラー協会代表の「ボルガチョフ」こと波多野翼さん、中華Mens代表の「麺(めん)ペラー」こと上城戸佑基さんも参加し、2人は「団体がそろい情報発信しやすくなった。3大グルメと市のコラボなどもできそう」と展望を語った。
好上委員会では今後、多文化共生をテーマにした外国人とそば打ち名人の交流イベント、市と連携した越前市産そば粉の健康メニューづくりなどを構想中。栗塚さんは「ふらっとお店に入って気軽におろしそばを一杯食べられる、そんな街にしていきたい」と思いを膨らませている。