県内の河川に放流するため、養殖されたアユの稚魚「氷魚(ひうお)」が余ってしまうことから、射水市本町(新湊)の水産加工販売会社IMATOは、食材として有効活用する方法を考えた。冷凍し、揚げ物や酢の物などに利用してもらえるようにした。東海勝久社長は「県内ではなじみのないアユの稚魚だが、食材として楽しめることを知ってほしい」と話している。
県水産研究所やIMATOなどによると、県内ではアユの稚魚は、放流するために漁協や研究機関で養殖されている。余剰分や弱ったものは、これまで廃棄されていた。
県内では、成長したアユは食べられているが、稚魚の料理はあまり知られていない。滋賀県では琵琶湖で天然の氷魚を水揚げし、冬の味覚として人気がある。
同社は廃棄分に着目し、研究機関から数十キロを譲り受けた。2月から、体長2センチほどを「万葉氷魚シラス」、同4、5センチほどを「万葉氷魚」として店頭に並べている。
射水市内の飲食店に薦めたところ、好評で卸すことになった。酢の物や天ぷらなどに合い、稚魚にもかかわらず、成長したアユのような独特の香りを楽しめるという。
万葉氷魚シラスは80グラム入り、万葉氷魚は300グラム入りでともに1080円(税込み)。ひみ里山杉を使ったカニの干物の贈答用箱も新しく用意した。問い合わせは同社、電話0766(82)2226。