原村の八ケ岳美術館で同村出身の彫刻家、清水多嘉示(たかし)(1897~1981年)の没後40年記念展が開かれている。7月4日までの第1期は、当初は画家を志した清水がフランスに滞在した1923~28年に描いた未公開作を含む絵画約100点を展示。彫刻家として大成するまでの軌跡をたどることができる。
展示絵画はパリの街並みや南フランスの自然を描いた風景画、裸婦像などの人物画が多い。同館は印象派の画家セザンヌ(1839~1906年)の影響を受けつつ「彫刻と同様、構築性と生命感のある作品が多い」とする。
帝国美術学校(現武蔵野美大)設立に携わった清水は渡仏時、彫刻家ロダン(1840~1917年)の助手を務めたブールデル(1861~1929年)の作品に出合って衝撃を受け、弟子入りすることになる。
清水の三女青山敏子さん(東京)は会場で取材に応じ、「彫刻だけでなく、本来は絵を描く人だったことも知ってほしい」と話していた。問い合わせは同館(電話0266・74・2701)へ。