胴体になる屋台がなくとも躍動感ある動きを披露した獅子頭の舞い手。左側は宇天王

胴体になる屋台がなくとも躍動感ある動きを披露した獅子頭の舞い手。左側は宇天王

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屋台獅子「密」避け躍動 高森・瑠璃寺、2年ぶり披露

信濃毎日新聞(2021年4月13日)

 飯田下伊那地域に多く伝わる屋台獅子の「源流」とされる高森町大島山の瑠璃寺に伝わる獅子舞(県無形民俗文化財)が11日、同寺の境内で2年ぶりに披露された。屋台獅子は、囃子(はやし)を奏でる屋台を獅子の胴体となる大きなほろで覆う。しかし、ほろの中は密になるので、この日は特別にほろを取り、練習として演じた。姿が変わっても、優雅さは変わらない獅子舞を保存会関係者らが見守った。

 同寺の屋台獅子のほろは、幅約2メートル、高さ約2メートル、長さ約10メートル。本来は、ほろの中に獅子頭の舞い手や囃子の演奏者らが入り、境内を練り歩く。屋台の中は少しでも動けば体が触れ合う状態になるため、昨年は新型コロナウイルスの感染対策で中止した。

 今年は2年連続の中止も心配されたが、同寺にゆかりのある大島山地区の住民でつくる保存会は、屋台を使わずに獅子頭だけでも舞おう―と決めた。囃子の演奏者は舞い手の周囲に陣取ることに。小学6年から屋台獅子に携わる農業佐々木大地さん(31)は「獅子舞は生活の一部なので昨年の中止はショックだった。密の状態を避け、どうやったら屋台獅子を続けられるか考えた」と話した。

 感染対策をした上での屋台獅子奉納は各地でも試みられている。飯田市鼎地区の矢高諏訪神社では10日、五つの保存会が獅子舞を奉納。それぞれが舞の時間を短縮した上で、ほろを巻き上げ換気したり、ほろの外で笛を演奏したり。大島山地区の保存会顧問で、同寺住職の滝本慈宗(じしゅう)さん(62)は「コロナ下で屋台獅子の継承は逆境にある」と危機感を募らせる。

 11日の同寺での練習では、獅子使いの「宇天王」が暴れる獅子を鎮める演目などがあり、獅子頭の舞い手が躍動感ある動きを披露した。鑑賞した飯田市の「東野大獅子」保存会の小畑正人さん(73)=飯田市高羽町=は、「普段はほろに覆われている舞い手の動きを見ることができた。本家本元であり、見応えがある」と話した。

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