福井県小浜市の内外海半島にある景勝地「蘇洞門(そとも)」を巡る遊覧船の安全や盛況を祈願する「蘇洞門開き」が4月17日、同市川崎1丁目の若狭フィッシャーマンズ・ワーフで行われた。観光関係者らが乗船し、観光シーズンの到来を祝った。
蘇洞門は内外海半島北側にあり、日本海の荒波が作り出した断崖と奇岩、洞門が長さ6キロにわたって続く。1934年に国の名勝に指定されており、若狭地方有数の景勝地として知られる。2019年には米国のニュース専門放送局「CNN」のウェブサイト特集で、「日本の最も美しい場所36選」に県内唯一選ばれた。
例年なら多くの市民らで遊覧船がにぎわうが、新型コロナウイルス対策として関係者らだけで行われた。
神事が営まれ、関係者20人が参加。松崎晃治市長らが玉ぐしをささげた。神事の後には、遊覧船の運航会社「そともめぐり」の溝口裕之社長(59)ら10人が「みやび」(約16トン)に乗船して出航。蘇洞門開きの「開き」にちなんだ黄金の鍵を持ち、遊覧船の安全運行を祈った。
溝口社長は「県内外の方々に名所である蘇洞門や食文化を満喫してもらい、小浜の魅力を知ってほしい」と話していた。コロナ禍を見据え、今後は少人数グループ向けの貸し切り船の運航も検討しているという。
蘇洞門めぐり遊覧船は原則として11月末までは、一般向けには午前9時半~午後3時半に5便(1時間半おき)、団体向けには午前10時~午後2時半に4便(同)運航する。所要時間は約60分で中学生以上2千円、小学生千円。密を避けるため、定員は40人とする。