南砺市の福野夜高祭は2日、規模を大幅に縮小し、2年ぶりに同市福野地域中心部で行われた。祭りを伝承する7町のうち、夜高行燈(あんどん)を制作した横町だけが町内で小行燈2基を勇壮に練り回した。提灯(ちょうちん)や田楽行燈を持って福野神明社を参拝する「御神燈(ごしんとう)奉納参拝」は全町が実施し、かつて大火からの復興を願った祭りの原点を示した
小行燈の巡行は中心部の通称「銀行四つ角」から始まり、神明社を経由して町内へ向かった。赤を基調とした極彩色の行燈を、若連中と子どもが太鼓や笛の音色に合わせて引き回した。
参拝は当番町の横町から新町、御蔵町、上町、七津屋、辰巳町、浦町の順に実施。新型コロナウイルスの影響で参加できなかった県外在住の出身者のため、参拝の様子をスマートフォンで撮影する氏子もいた。
祭りは1652(慶安5)年、大火からの復興と安寧を願い、伊勢神宮のご分霊を神明社の氏神として迎えた際、行燈をともしたのが由来。新型コロナの影響で、昨年は戦後初めて中止した。