富山市民プラザで開催中の鉛筆画家、古谷振一さん(57)=富山市=の個展に、故志村けんさんの兄、知之さん(74)が訪れた。昨年、志村さんの鉛筆画を贈ったことが縁で、個展のために作品を特別に貸してくれた。23日まで展示している。
志村さんが新型コロナウイルスに感染して急死した後、古谷さんは追悼の思いで描いた。笑顔の写真を基に、2H~10Bの鉛筆を使い、約3週間かけて完成させた。
制作過程を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開すると、視聴者から「志村さんのお兄さんに贈ってほしい」と反響があった。作品を額縁に入れ、志村さんの事務所を通して知之さんにプレゼント。後日、知之さんから電話があり「とてもリアルで、弟の似顔絵の中で一番気に入っている」と感激していたという。
知之さんは先月29日、出張で隣県を訪れ、電車の乗り換えで県内に立ち寄った。約1時間会場を視察し、作品を鑑賞した。古谷さんは「来てくれるとは思わなかったので驚いた」と喜ぶ。個展の会期が終わった後、作品は知之さんに返却され、志村さんの仏壇の横に飾られる予定だ。