新中居八景のポスター図案を示す創造会議の竹野会長(右)=穴水町住吉公民館

新中居八景のポスター図案を示す創造会議の竹野会長(右)=穴水町住吉公民館

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穴水町中居 ボラ待ち櫓など新八景

北國新聞(2021年5月9日)

 穴水町中居の歴史や文化の継承に取り組む新中居八(はっ)景(けい)創造会議は8日、地元を象徴する八つの名跡「新中居八景」を決定した。中居は江戸時代に選ばれた二つの八景が知られており、「令和版の八景」ではボラ待ち櫓(やぐら)などを加えた。ポスターを作って周知し、新八景を題材に俳句や書など7部門の作品を公募、秋の文化祭で披露し、郷土の魅力再発見につなげる。
 穴水町住吉公民館で開かれた企画・実行委員会で決まった。新中居八景に選ばれたのは「地福院羅漢樹(ぢふくいんらかんじゅ)」「さとりの道・墓石群」「向山(むかいやま)借景」「月﨑・立山連峰」「瑞鳳山からの中居集落」「中居虹」「ボラ待ち櫓」「宮﨑寒雉(かんち)ふるさと茶会」の八つとなる。
 いずれも里山里海の豊かな自然にはぐくまれた風景、文化を象徴するとして選ばれた。樹齢750年の羅漢樹、9寺院に点在する墓石群をたどる道、入り江の景観を形作る向山、海越しに望む立山連峰や入り江に掛かる二重の虹などが織り込まれている。
 創造会議は昨年、会員から候補を募り、打ち合わせた。会員の吉岡弓子さんが描き下ろした絵をポスター図案に採用する。
 選定を機に俳句、短歌、詩、短文、絵画、写真、書の作品を6月から募集し、11月に作品展を開く。8月には新八景の散策会も計画する。ドローンから新八景を撮影し、案内標識を設置できないか、関係機関へ働きかける。
 これまでに存在した中居八景の一つは、江戸中期の1777(安永6)年、能登を旅した太田賴資が、能登名蹟志に記された八景を俳句に詠んだことで知られる。「瑞鳳の秋月」「橋梶の夕照(せきしょう)」「北村の晴嵐(せいらん)」「南村の帰帆(きはん)」「大瀧の晩(ばん)鐘(しょう)」「川尻の夜雨」「比良の落雁」「奥津の暮雪(ぼせつ)」である。
 もう一つは、中居の西蓮寺が所蔵する江戸後期作と伝わる絵画と和歌から選定された八景で、一つは失われているものの「瑞鳳の朧(おぼろ)月(づき)」「松ケ崎春曙(しゅんしょ)」「内浦塩竈(しおがま)」「南浦釣船」「地福鐘聲(しょうせい)」「白潟群鷗(ぐんおう)」「奥津鎮守」がある。

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