人々が見守る中を進んだ「渡御の儀」の行列=9日午後3時25分、長野市戸隠

人々が見守る中を進んだ「渡御の儀」の行列=9日午後3時25分、長野市戸隠

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戸隠神社式年大祭 荘厳に「渡御の儀」

信濃毎日新聞(2021年5月10日)

 長野市戸隠の戸隠神社は9日、宝光社のご神体を輿(こし)「鳳輦(ほうれん)」に載せて、約3キロ離れた中社に移す神事「渡御(とぎょ)の儀」を行った。7年目に1度開く式年大祭(4月25日~5月25日)の中心行事の一つ。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、行列の人数を減らしたり、一部の行程で鳳輦をトラックに積んだりしながら慎重に進めた。

 宝光社の祭神「天表春命(あめのうわはるのみこと)」を、中社の祭神で父親の「天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)」と対面させる神事。白装束に身を包み、マスクや手袋を着けた地元の男性ら16人が、約230キロの鳳輦を担いだ。雅楽が奏でられる中、約200メートルの行列が新緑に彩られた坂道を上った。

 行列は従来の約500人から約150人に減らし、看護師が待機する相談所も設置。約3キロの行程のうち2キロは鳳輦をトラックで運んだ。マスクを着けて上り坂を進んだ担ぎ手の徳武祐樹さん(43)は「苦しくて歩くだけで精いっぱい。コロナ収束を願うばかりです」。

 約3時間で中社へ到着すると、神職たちが絹の布で覆ってご神体を社殿へ移した。千曲市から訪れた主婦町田弘子さん(65)は「荘厳で心が洗われるよう」と話していた。

 23日には天表春命のご神体を宝光社に戻す「還御(かんぎょ)の儀」がある。

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