福井県坂井市の一般社団法人「丸岡城天守を国宝にする市民の会」は5月10日、丸岡城周辺の観光滞在の拠点として、同市の妙光寺で一般客向けの宿坊を開業した。3年後の北陸新幹線県内開業を見据え、まちなかのにぎわい創出を目指す。
県が一昨年募集した「"ワクワク・ドキドキ"新幹線開業アイデアコンテスト」で入賞し、備品購入や広告宣伝費など事業費の3分の2の補助を受け整備。一般客向けの宿坊は市内では初めてという。
妙光寺は丸岡城から南に約700メートルの位置にある。これまで檀家(だんか)や住職が寝泊まりし、会食に使っていた4畳半~8畳の4部屋を宿泊スペースに使う。
素泊まり限定とし、一度に6人1組までが泊まれる。チェックイン・アウトは丸岡城下にある城ファン拠点施設「城小屋マルコ」で行い、飲食店や観光スポットが記された街歩きのマップを置く。宿坊には今後、レンタサイクルを5台置き、周遊観光に役立てる予定。
この日は市民の会のメンバーや県職員らが出席する中、宿坊のおはらいや看板の除幕が行われた。住職は「地域の人に妙光寺のことを知ってもらうとともに、丸岡の地域活性化につながれば」と期待した。
市民の会によると、丸岡地域には19カ所の寺院があり、今後宿坊を増やしていく構想。同会の男性は「丸岡に滞在して、ライトアップされた夜の丸岡城を見てほしい。将来的には宿坊の町と呼ばれるようになれば」と話した。
価格は1人1泊6千円(税込み)。予約受け付け、営業日の確認は「楽天VacationSTAY」から。