福井県越前市生まれの絵本画家、いわさきちひろの作品を挿絵に使った黒柳徹子さんの自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」をテーマにした企画展が、同市天王町の「ちひろの生まれた家」記念館で開かれている。同書の表紙に使われ一躍有名になった少女の絵など、13点を紹介している。6月7日まで。
ちひろの絵を本に使うのが夢だったという黒柳さんは、ちひろ美術館(東京)に通って物語に合う作品を自ら選んだという。1981年に出版された同書は2371万部のベストセラーとなった。
展示は同書の発刊40周年を記念し市観光協会が企画。最新の印刷技術で原画の色彩や質感を再現した「ピエゾグラフ」を用いた作品を並べている。
「こげ茶色の帽子の少女」は、同書の表紙となった作品。発刊をきっかけにちひろを代表する作品の一つとなった。水彩のにじみが優しい「窓辺の小鳥と少女」は、黒柳さんが小学校の教室の窓からツバメに話しかける場面の挿絵に使われた。
ほかにも、おさげの少女やランドセル姿の子どもたちを描いた作品などがある。記念館別館にはちひろの絵本を所蔵するライブラリーがあり、同書で収録された絵の原作絵本も楽しめる。
火曜休館。午前10時~午後4時。入館料は300円(高校生以下無料)。