福井県越前市出身の鉄道写真家、南正時さん(74)=東京都=の写真展が5月15日、市生涯学習センターなど市内3カ所で始まった。同市内の新駅の名称が「越前たけふ」に決まった北陸新幹線、長い歴史を刻む福井鉄道を撮影した約40点を展示。新旧の魅力ある鉄道風景を伝えている。
南さんはアニメ制作会社勤務を経て1971年にプロカメラマンとして独立。50年以上にわたり鉄道を撮り続け、鉄道雑誌や旅行雑誌で活躍している。
「越前たけふ」の駅名決定にちなみ、同センターでは北陸新幹線の白山総合車両所などで撮影した写真を展示。市中央図書館と、市民プラザたけふのてんぐちゃん広場前では、黄色い新幹線として知られる点検用車両「ドクターイエロー」や富士山を背景に走る東海道新幹線の作品を集めた。
中学時代まで越前市で過ごした南さんが親しんでいた福井鉄道の写真は、81年に廃線となった南越線の貴重な沿線風景を記録。低床車両が乗り入れる福井市のハピリン前なども収められ、福鉄の歴史をたどれる構成となっている。
「越前たけふ」の駅名には「昔からなじんできた由緒ある地名が入ってよかった」と南さん。「地元の鉄道のことをもっと広く知ってもらいたい」と話していた。
展示は6月13日まで。市中央図書館では鉄道の絵本コーナーも設けている。