金沢の春の風物詩「あぶりもち神事」が15日、神明宮(金沢市野町2丁目)で始まり、参拝客は無病息災や厄よけの御利益があるとされる餅を買い求めた。新型コロナ感染予防のため境内での飲食は中止しており、客は餅を持ち帰った。
あぶりもちは、おはらいに用いる「御幣(ごへい)」に見立てた形で、甘辛いみそだれで味付けした食用と、玄関などに飾る「家守(いえまもり)」が頒布され、購入者にしおり型のお守りが贈られた。
毎年、訪れる金沢市増泉5丁目の橋本のぶ子さん(74)は「自分と家族の健康を祈って食べたい」と話した。加藤明代禰宜(ねぎ)(42)は「健康のありがたみを感じてほしい」と述べた。
神事は藩政期から300年以上続くとされ、5、10月に営まれる。神前であぶりもちをこしらえる奉納式は密を避けるため、神職のみで行った。神事は17日まで。午前9時~午後7時に頒布する。