コンクリート片が落下した「一の鳥居」=羽咋市一ノ宮町

コンクリート片が落下した「一の鳥居」=羽咋市一ノ宮町

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羽咋・気多大社 「一の鳥居」が解体へ

北國新聞(2021年5月17日)

 羽咋市一ノ宮町の市道にある気多大社「一の鳥居」で、高さ約10メートルの桁部分から複数のコンクリート片がはがれ落ちたことが16日、分かった。築86年で劣化が進んだためとみられ、けが人はいなかった。地元住民が以前から撤去を要望しており、大社は月内に鳥居の解体を始める。再建の見通しは立っておらず、撮影スポットとしても人気だった海岸近くに立つ名物鳥居は姿を消す。
 大社などによると、15日午後9時ごろ、鳥居の桁部分に縦50センチ、横3メートル、厚さ数センチの剥落があるのを通行人が見つけた。道路上に数センチから数十センチの複数の破片が散らばっており、市は鳥居の下の市道を通行止めにした。
 一の宮海岸近くに立つ一の鳥居は1935(昭和10)年8月、志賀町出身の実業家細川力蔵氏の寄進で建てられた。鉄筋コンクリート製で、高さ約10メートル、柱の間は7・2メートル。約300メートル離れた境内入口に二の鳥居があり、拝殿や「入(い)らずの森」を望む風景は撮影スポットにもなっている。
 一の鳥居を巡っては、以前から老朽化が著しいとして地元住民が撤去を要望していた。2007年の能登半島地震の際などにも、鳥居から剥げ落ちた破片が見つかり、大社に対応を求めた経緯がある。19年10月には一ノ宮、滝、寺家の地元3町会が一の鳥居撤去を大社に要望していた。
 大社は補修などを検討していたが困難と判断し、4月30日の責任役員会で撤去を決めていた。撤去が完了するまで大社は一の鳥居の周囲にバリケードを設け、破片の飛散防止のネットも張る。
 三井孝秀宮司は「住民の皆さんにご迷惑をお掛けし、申し訳ない。できるだけ早く撤去を終えたい」と陳謝した。ただ、海岸沿いに立っているため、劣化が進みやすいことも課題とし、十分な耐久性が確保される工法が開発されるまで再建しないとしている。
 一ノ宮町会の岡崎精一会長は「けが人がいなかったのが不幸中の幸い。要望していたのに、もっと早く撤去できなかったのか」と語る一方で「見慣れた風景が消えるのはさみしいとの思いもある」と複雑な心境をのぞかせた。
 責任役員会では、ともに県文化財で江戸中期に建てられた境内の神庫と、寺家町の随身門の屋根の補修も決めた。

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