学芸員(中央)から朝倉館跡の庭園の観賞ポイントを聞く参加者=5月16日、福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡

学芸員(中央)から朝倉館跡の庭園の観賞ポイントを聞く参加者=5月16日、福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡

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一乗谷朝倉氏遺跡を大名気分で庭園観賞 福井市、朝倉義景の館跡内も

福井新聞(2021年5月17日)

 福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡の庭園を、文化財調査員の解説を聞きながら見て回るイベントが5月16日開かれた。参加した約30人は普段は立ち入ることのできない朝倉義景の館跡内に入り、戦国大名になった気分で"室内"からの庭の眺めを楽しんだ。

 「一乗谷遺跡ウォーク」と題して、県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館が開いた。参加者は同館文化財調査員とともに、2時間かけて五つの庭園を回った。

 調査員によると、戦国時代の庭園は石組みが中心。庭園は人の手が加えられ形を変えていくものも多いが、土に埋もれていた同遺跡はほぼ当時と同じ姿が見られるという。

 調査員は、庭園観賞のポイントを「庭の主役を見つけること」と説明。朝倉館跡では、石で作られた滝のある「池庭」について、中央にある石の正面から見ることを勧めた。庭は座敷とは別室からも見ることができたことから、両方向から見ても美しい設計になっているという。

 滝に水を引く石で作られた「導水路」もこの庭の特徴と指摘。庭の背後の斜面に大胆に配置されており、調査員は「地形を生かした庭造りになっている」と解説した。

 参加者は座敷があった場所から池庭を眺めた。調査員は「この座敷で義景が将軍足利義昭をもてなしたと考えられている」とのエピソードを披露した。

 参加者は、4メートルを超す巨石がある「諏訪館跡庭園」や、酒宴に使われた南陽寺跡の庭園も見て回った。福井市の女性は「今までと違う視点で庭を見ることができた。庭によってさまざまな特徴があると分かって面白かった」と話していた。

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