完成した猪目(ハート形)の山門=加賀市片山津温泉の愛染寺

完成した猪目(ハート形)の山門=加賀市片山津温泉の愛染寺

石川県 加賀・白山・小松 アウトドア・レジャー

ハート型、山門完成 片山津・愛染寺 水引やクローバーデザイン 7月25日くぐり初め

北國新聞(2021年5月19日)

 加賀市片山津温泉の守護寺の真言宗愛染寺(あいぜんじ)で18日までに、一般から建立に向けてアイデアを募った山門が完成した。山門は猪目(いのめ)(ハート形)をかたどり、石川の伝統工芸である水引や、クローバーのデザインをちりばめて「幸せへの門」をテーマに仕上げた。温泉地の新たな名物として広く参拝者を呼び込んでいく方針だ。7月25日に檀信徒や寄進者を招いた「くぐり初め」を行う。

 山門は高さ4メートル、幅6メートルで、鉄とステンレスを組み合わせて製作した。愛染寺ではこれまで、寺院名にちなんでハート形をあしらった絵馬を扱っており、山門の形状にも生かした。

 金沢市の鍛鉄作家渡辺薫さんのアイデアで水引やクローバーのデザインを採用し、一つだけ四つ葉の形を入れておく遊び心を加えた。願いを叶(かな)えるとの思いを込めて漢字の「叶」も意匠化している。門の上部には、寺を守護する金剛力士を表し、梵字で「阿(あ)」「吽(うん)」の二文字を掲げた。

 山門横には、本紙報道をきっかけに白山市の銘木店から提供を受けた木材でつくった看板も立てた。「猪目門」の字は、同寺への参拝が縁で交流してきた白山市の安田ひとみさんがしたためた。

 愛染寺では2002年に護摩堂、09年に永代供養納骨堂「無憂(むう)」を建立しており、山門を寺院整備の総仕上げと位置づけている。檀家(だんか)の少ない寺は全国的に収入の減少から存続が危ぶまれており、同寺も整備で魅力を高めて参拝客を呼び込み、温泉街の活性化にもつなげる考えだ。

 竹内秀岳住職は「さまざまな人との縁に恵まれて素晴らしい門ができた。多くの人が加賀温泉郷を訪れるきっかけになってほしい」と期待を込めた。

えきねっと びゅう国内ツアー

加賀・白山・小松 ニュース

加賀・白山・小松
イベント

加賀・白山・小松
スポット