福井県あわら市の温泉旅館清風荘は、「あわら温泉女将の会」が手掛けるオリジナル日本酒の酒かすを使った「クリームチーズのババロア」を商品化した。新型コロナウイルス禍でも前向きに、ネーミングからデザインまで従業員が一丸となって作り上げた。
オリジナル日本酒「女将(おかみ)」は女将の会、地元農家、久保田酒造(坂井市)などが取り組むプロジェクト。女将の会の13旅館で提供している。
日本酒は爽やかで香り高い純米吟醸ということもあり、酒かすも芳醇(ほうじゅん)で香りがいい。これまで清風荘では年始に甘酒を振る舞い、宿泊客の懐石料理のデザートとしてババロアをメニューに加えていた。
「ババロアをお土産として販売してほしい」との声があり、昨春のコロナ休館時に商品化を目指すことにした。途中、国の「GO TO トラベル」などの施策があり、商品化を一時中断していたが4月に完成した。
商品名は「『女将』に恋して」。かどが立っていないという上質な酒かすの香りが漂い、ふわふわした絶妙な口どけが楽しめる。総料理長の中村淳太郎さん(48)のこだわりが詰まった逸品だ。
女将の伊藤康代さんは「リピーターとなっていただくため、今後ババロアのバージョンアップも考えたい。あわら温泉旅館ならではの味として、広めていけたら」と話している。
旅館内の売店、オンラインで購入できる。1個350円(税込み)。