公園化を進めている北前船主西出孫左衛門の屋敷跡地=加賀市橋立町

公園化を進めている北前船主西出孫左衛門の屋敷跡地=加賀市橋立町

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加賀市橋立地区 「北前船の里」公園に

北國新聞(2021年5月24日)

 加賀市橋立町内会と加賀橋立まちなみ保存会は今年度から3年計画で、重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)「加賀橋立」の魅力に磨きを掛けるため、北前船主の屋敷跡を公園に整備するなどの取り組みに乗りだす。2024年春を予定する北陸新幹線金沢-敦賀開業に向け、住民主体で手掛け、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」にも認定されている地域を大切にする意識を高める。
 計画では、北前船主西出孫左衛門の屋敷跡地約2千平方メートルを公園にする。西出家の屋敷は多くの観光客が訪れる市北前船の里資料館の西側で、気軽に立ち寄ってもらえるように花壇を設置し、20種以上の花木を植える。ベンチも置く。
 室生犀星原作の映画「蜜のあわれ」などのロケ地となった旧増田家の屋敷や、久保彦兵衛の屋敷跡地を通る歩道は、道の上部を覆っている樹木を伐採する。屋敷の建立年や船主の興隆について解説する案内看板も置く。
 北前船主屋敷「蔵六園(ぞうろくえん)」近くの高台にある展望台も雑木や雑草を取り除いて再整備し、赤瓦を特徴とした北前船主や船頭の屋敷跡を見下ろせるようにする。
 いずれの計画も市の許可を得た上で、いしかわ緑のまち基金「緑のまちづくりモデル事業」の助成を受けて進める。
 橋立地区の屋敷群は2005年に国の重伝建に選定され、17年には日本遺産にも認定された。「北前船の里」として観光客が多く訪れる一方で、細く入り組んだ道に迷う人や他地域の観光地と比べて回遊性が悪く、滞在時間が短いことが課題となっていた。
 住民からは歩道の一部に草木が生い茂り、日中でも暗く、通りづらいとの声が寄せられていることも整備のきっかけとなった。
 橋立まちなみ保存会の木村茂樹副会長は「街並みと自然を堪能できる橋立の良さを観光客に伝え、住民が集える場としても整備を進めたい」と話した。

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