企画展「森弘之-越の国のシュルレアリスム-」が射水市新湊博物館で開かれている。同市出身の洋画家、故森弘之さん(1929~96年)の活動初期から晩年までの作品約30点を並べ、創作の軌跡を紹介している。6月27日まで。
森さんは戦後、地元で機械設備設計の仕事に従事する傍ら、水彩画に取り組んだ。20代後半で病気を患ってからはシュールレアリスム的な画風に移行。安井賞展に出品を重ねるなど高い評価を受けた。
「越の凾人(かんじん)」は、首と腕がない人が箱の中に収まり、不思議な雰囲気を漂わせた作品。細胞や心臓、空に浮かぶ太陽、雲が細密に描かれ、生命を感じさせる。「内川」「漁港」など初期の詩情豊かな風景画や、晩年に制作した花の連作なども並び、訪れた人たちの目を引いている。
6月13日は県水墨美術館の若松基副館長が記念講演する。問い合わせは新湊博物館、電話0766(83)0800。