大正から昭和初期にかけてポーランド孤児やユダヤ人難民が福井県敦賀港に上陸した歴史を広く発信していこうと敦賀高生が5月23日、敦賀市金ケ崎町の資料館「人道の港敦賀ムゼウム」で館内ガイドの練習に取り組んだ。9月にも教育旅行などで訪れた団体客らに、展示の見どころや史実の背景を紹介していきたい考えだ。
同館での館内ガイドを目指していた同校の研究会「創生部」を今年4月に統合した部活動「探究部」の活動の一環。旧創生部のメンバーら27人が人道学習を続けてきた。
初となる館内での観光ガイドの練習には1、2年18人が参加し、2年4人が実際にガイドした。本や同館職員の意見を参考に、半年ほど前から案内用の原稿を準備し、練習を重ねてきた。かつてユダヤ人難民を救った外交官、杉原千畝や日本赤十字社の救済事業で敦賀に上陸したポーランド孤児らについて丁寧に解説。時折、身ぶり手ぶりやクイズを交え、聴衆が飽きないよう工夫を凝らしていた。
その後、グループに分かれ「もっと展示の理解を深めないと」「説明不足の部分があった」「時系列で出来事を説明すると分かりやすい」などと改善点を話し合っていた。
同校の生徒によるガイドは、市内外の学生らの団体客を想定している。同館の館長は「いろいろなお客さんが来館する。相手に合わせ、臨機応変に対応してほしい」と見守っていた。