チェーンソーで穴から顔をのぞかせるクマを彫る山中さん(右上)

チェーンソーで穴から顔をのぞかせるクマを彫る山中さん(右上)

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木の動物お出迎え 富山の山中さん、150体制作

北日本新聞(2021年5月28日)

 穴から顔をのぞかせるクマ、首をかしげるフクロウ、つぶらな瞳のリス...。富山市粟巣野(大山)周辺の民家や山小屋の玄関先に愛らしい姿の動物の木像が並び、近くを通る人を楽しませている。住民の山中茂さん(70)が8年前からチェーンソーで丸太を削った彫刻作品を作り、地域への恩返しとして150軒以上に贈ってきた。けがで1年のブランクを挟んだが、今月から再び制作に打ち込んでいる。

 山中さんは札幌市出身の元スキーヤー。約45年前に県内に移住し、雄山高校で教鞭(きょうべん)を執りながら県内のスキー選手を指導した。定年退職後、チェーンソーを使った木彫アートを知り、見よう見まねで作り始めた。

 使用するのは、直径約60センチのスギの丸太と大小2種類のチェーンソー。動物の写真を参考に、チェーンソーを自在に動かして成形する。親しんでもらいやすいよう、アニメのような表情や体の作りにしている。

 最初は形が丸く彫りやすいフクロウやクマを題材にしたが、今では鳥の羽や魚のうろこなど、細かいパーツの細工もお手の物だ。年間約20体のペースで作り、近隣の住民や公民館、飲食店にプレゼント。教え子らとスキー合宿で訪れた山小屋にも贈った。「お世話になった人を思い浮かべながら彫るうちに、気付けばこんな数になった」

 近くに住む土肥真之輔さん(36)には、6年前に死んだ土肥さんの愛犬「マロ」の像を贈った。土肥さんは「毎日見守ってくれているよう」と喜ぶ。

 昨年、家の近くで転倒し、手首の靱帯(じんたい)を切った。1年間の治療を経て、5月から再びチェーンソーを握り始めた。「感謝の気持ちを込めて彫り続けたい」と意気込んでいる。

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