東京都出身の山岳写真家、故藤田弘基(ひろき)さん(1939~2012年)の遺作写真展「仏教美術の源流 ガンダーラからチベットまで」が29日、南砺市法林寺(福光)の福光美術館と同市利賀村上畠の交流施設「瞑想(めいそう)の郷(さと)」で始まった。ヒマラヤ周辺の風景や寺院、仏像を収めた103点を紹介している。7月26日まで。
高校時代からヒマラヤに憧れていた藤田さんは、チベットやネパールなどを山岳写真の撮影で訪ねるうち、各地に残る仏教美術に魅せられた。
福光美術館では、インドやパキスタン、チベットで撮影された写真81点と愛用のカメラなどを展示。現在、政治的な理由や新型コロナの影響で渡航が困難な地域の風景や、曼荼羅を収めた写真が並ぶ。
瞑想の郷では、同市利賀地域と交流しているネパール・ツクチェ村と、その周辺の写真22点がそろう。瞑想の郷の曼荼羅を描いた絵師のサシ・ドージ・トラチャンさんとその父親の作品を収めた写真もある。
29日は福光美術館で開会式があり、田中幹夫南砺市長があいさつ。テープカットの後、藤田さんの妻で童話作家の茂市(もいち)久美子さんと、瞑想の郷の主任学芸員の田中公明さんによるギャラリートークがあった。
福光美術館は火曜、瞑想の郷は水曜が休館。北日本新聞社共催。