ドリームシグナル号と集めたごみ=珠洲市の鉢ケ崎海岸

ドリームシグナル号と集めたごみ=珠洲市の鉢ケ崎海岸

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引退した競走馬 珠洲の海岸清掃「初出走」

北國新聞(2021年5月30日)

 引退馬の支援に取り組む日本中央競馬会(JRA)の元調教師角居勝彦さん(57)=輪島市=は29日、珠洲市の鉢ケ崎海岸で、市内の農園で余生を送るドリームシグナル号を隊長とする清掃ボランティア「鉢ケ崎きれいにし隊(たい)」の活動を始めた。同市緑丘中の生徒や鉢ケ崎リゾート振興協会の関係者ら約30人が参加し、ペットボトルや古タイヤ、漂着ブイなどを集めて郷土の海の美化に努めた。
 ドリームシグナル号は隊の名前入りの馬具を着て、くらの両脇にごみ入れのかごを付けて海岸を歩いた。参加者は集めたごみをかごや手にしたビニール袋に入れて回収し、1カ所にまとめた。生徒らは山のようになったごみに「こんなにたくさんあるとは思わなかった」と話し、地元の海の現状に驚いた様子だった。
 作業中、ドリームシグナル号が砂に埋まった、重い大きなロープの塊を引きずり出すと、参加者から「すごいパワー」「馬だけに馬力が違う」と歓声が上がった。集めたごみは鉢ケ崎ケビンの職員が処理に回す。
 ごみ拾いに参加した緑丘中3年の坂尻千夏さん(14)は、例年夏休みに鉢ケ崎海岸に海水浴をしに来るといい「以前からごみが気になっていた」と話す。掃除の合間にドリームシグナルと一緒に歩き、頭をなでたと振り返り、「きょうは馬と一緒で、楽しく掃除ができた」と笑顔を見せた。
 祖父が珠洲市正院町出身という角居さんは、清掃活動について「我々の祖先が守ってきた、豊かな珠洲の自然を、次の世代に引き継いでいく大切さを子どもたちに知ってほしい」と語った。鉢ケ崎海岸は「日本の渚(なぎさ)百選」に選ばれている市内屈指の観光名所で、ドリームシグナル号の散歩コースになっている。今後も散歩の際にかごを付け、ごみを集めることにしており、角居さんは「姿を見掛けたら気軽に活動に参加してほしい」と呼び掛けた。

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