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コロナ感染沈静化願い、社殿復元 鯖江・舟津神社境内

福井新聞(2021年6月16日)

 福井県鯖江市舟津町1丁目の舟津神社は、新型コロナウイルス禍の沈静化を願って、半世紀前に解体して部材を保存していた社殿を境内に復元した。末社の八坂神社として再建し6月13日、遷座祭を執り行った。

 舟津神社によると、社殿は同市舟枝町の遺跡にあったもので、老朽化して廃棄処分されそうになり、1960年に同神社に持ち込まれた。歴史的に貴重な建物と判断され、解体して神楽殿の床下に保存されてきた。

 残されていた棟札の記載によると、建物は安政4(1857)年に鳥羽村(現在の同市鳥羽地区)の神明社の社殿として建てられた。明治40(1907)年に別の神社に合祀(ごうし)された際に、同市舟枝町に移されたとみられている。

 社殿があった同市舟枝町の遺跡は、親鸞聖人による「三度栗」の逸話が残る地。親鸞聖人が茶菓子として出された焼き栗をその場に植え、「もし発芽したら説法は真実であると思ってくれ」と言い残すと、翌年に発芽して年に3回花が咲くようになり、民衆を驚かせたという。

 再建した社殿は、間口1メートル、奥行き1・7メートル、高さ3メートル。専門家の指導の下で古い部材を洗い出し、老朽部分を補足して復元された。遷座祭には氏子ら約30人が参列して神事を行った。

 八坂神社は疫病避禍の社とされる。舟津神社の橋本政宣宮司は「新型コロナウイルスが広がった中で、由緒ある古材を使ってお社を建てることができた。皆さんに疫病避禍を祈願してもらいたい」と話している。

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