3年ぶりの「信州・まつもと大歌舞伎」がいよいよ17日、松本市で幕を開ける。会場のまつもと市民芸術館では16日、出店ブース「縁日横丁」の設営や、来場者を誘導する予行演習などが着々と進められた。新型コロナで、出演者らが中心市街地を練り歩く恒例の登城行列が中止になるなど制約は多いが、関係者は盛り上がりに期待している。
縁日横丁には、地元などの15店が出店し、飲食物や雑貨、土産品などを販売する。16日は店先に色とりどりの紙飾りやのぼり旗が掲げられ、商品が次々と並べられた。
市内の酒造会社でつくる組合が今回、9種類の地酒を販売する。例年は試飲や観劇しながら酒を楽しむこともできたが、持ち帰りのみ。笹井酒造の杜氏(とうじ)、笹井康夫さん(48)は「松本で歌舞伎を楽しんだ思い出の品として手に取ってもらえたらうれしい」と話していた。
会場内では、公演期間中に来場者の案内などを務める市民サポーターらが集まり、誘導の予行演習をした。入り口のサーマルカメラで来場者の体温を確認し、会場に入ってもらう流れを確認した。
7回目となる大歌舞伎の演目は、2008年の初回と同じ「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」。中村勘九郎さん、中村七之助さん兄弟や尾上松也さんらが出演し、17~22日に計7公演行う。