3羽のツルが彫られた欄間=魚沼市大石の天宗寺

3羽のツルが彫られた欄間=魚沼市大石の天宗寺

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石川雲蝶 作品鑑賞バスツアー 秘蔵の品も公開 魚沼地域

新潟日報(2021年6月25日)

 幕末から明治にかけて活躍した彫刻師、石川雲蝶が新潟県の魚沼地域に残した作品のうち、普段は非公開となっている2作品を特別に鑑賞できるバスツアーが7月17日に行われる。ガイドを務める南魚沼雲蝶会会長の中島すい子さん(66)は「雲蝶さんは有名な作品以外にも素晴らしい作品を数多く残している。それらを知るきっかけにしてほしい」と話している。

 ツアーは2013年から毎年行われ、例年は代表作を中心に3、4作品を巡ってきた。今年の呼び物は天宗寺(てんそうじ)(魚沼市大石)の欄間と雷土(いかづち)神社(南魚沼市雷土)の馬の彫刻だ。普段は公開されていないが、中島さんが管理する住民団体に交渉し、鑑賞の許可を得た。

 天宗寺の欄間は2枚あり、明治初めに作られたとみられる。材料はケヤキで、1枚の大きさは縦約40センチ、横約110センチ。1枚には3羽のツル、もう1枚には3匹のカメと夕日に向かって飛んでいくツルが彫られている。

 ツルは板を浅く彫った後、着色されている。カメはあらかじめ別に作った彫刻を板にはめ込み、夕日が沈む水平線は木目を生かして描かれている。中島さんは「カメは欄間から浮き上がっている。雲蝶さんの遊び心が垣間見える」と話す。

 欄間の裏面には、それぞれ母親と子どもと、烏帽子(えぼし)姿で舞い踊る人が木目が透けるほど薄い色であっさりと描かれている。

 雷土神社の拝殿奥にある白馬の彫刻は幕末の作とされる。馬の姿を忠実に彫り、草の繊維のようなものが尻尾として付いている。小学生くらいの子どもが乗れる程度の大きさで、昔は実際に子どもが乗って遊んだとみられ、白い色が所々はげて木目がのぞいている。

 中島さんは「雲蝶さんはよく牛を彫っていたが、馬は珍しい」とした上で「昔は子馬もいたというが、いったいどこへ行ったのか。想像する楽しみもある」と語る。

 ツアーではこのほか、雲蝶の代表作として知られる永林寺(魚沼市)の天女の欄間、西福寺(同市)の天井彫刻、龍谷寺(南魚沼市)の木目を生かした欄間も巡る。

 JR六日町駅を午前8時30分、浦佐駅を午前9時に出発する。料金は昼食付きで1万2千円。定員は20人だが、申し込みが多ければ増便も検討するという。申し込み、問い合わせは六日町観光協会、025(770)1173。

詳細情報

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NPO法人 六日町観光協会【公式】 https://muikamachi.jp/
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