五色がそろった加賀八幡起き上がり=此花町の安江八幡宮

五色がそろった加賀八幡起き上がり=此花町の安江八幡宮

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安江八幡宮 5色の加賀八幡起き上がり

北國新聞(2021年6月27日)

 「加賀八幡(はちまん)起き上がり」発祥の安江八幡宮(此花町)の拝殿に26日までに、5色の大型の起き上がりがそろった。ゆかりの地でありながら、これまで置かれていたのは赤と白の2色だけだった。コロナ禍の終息への祈りも込めた5体は今後、秋祭りをはじめ、催事の際に神社の象徴として公開される。
 加賀八幡起き上がりは、安江八幡宮が祭る八幡大神の誕生の姿を模しており、五行思想に基づき、五つの色がある。同神社には、境内に起き上がりの像があるほか、さい銭箱近くには高さ3センチの小さな起き上がりが並び、発祥の地であることがうかがえる。
 ただ、これまで拝殿に奉納されていたのは赤と白の2体だった。今回、安江八幡宮禰宜(ねぎ)の厚見行正さん(38)の義理の祖母竹内栄子さん(88)が米寿の記念や健康祈願、コロナ終息の願いを込め、緑、黄、紫の3体を奉納し、5色となった。
 5色にはそれぞれ意味があり、緑は健康、成長、黄は開運、金運、赤は安全、安産、白は縁結び、達成、紫は学力、知恵となる。
 奉納された高さ40センチの5色の起き上がりは、いずれも郷土玩具専門店「中島めんや」(尾張町2丁目)が手掛けた。起き上がりは張り子でつくられ、松竹梅を描いた愛らしい姿が特長。金沢では結婚や誕生、開店祝い、お見舞いの贈り物として親しまれ、県のマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」のモデルにもなっている。
 安江八幡宮では9月14日からの秋祭りを皮切りに、5色の起き上がりを季節ごとの祭事や初詣などの際、さい銭箱の前に置き一般公開する。権禰宜(ごんねぎ)の厚見匡史さん(29)は「加賀八幡起き上がりが、コロナの世の中を少しでも明るくしてくれたらいい」と話した。

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