県内の多彩なジャンルの作家45人による自主企画展「ビエンナーレTOYAMA」が27日、富山市の県美術館TADギャラリーと富岩運河環水公園で開幕した。若手からベテランまでの気鋭の作家たちが、絵画や立体、インスタレーション(空間芸術)などの意欲作を発表し、富山のアートの今を伝えている。
2013年から隔年で開催し、作家自らが会場運営やPR活動などを担う。5回目の今回は10人が初めて参加する。
7月16日までの第1期展には、14人が屋内外に作品を展示している。TADギャラリーには、淡いタッチでワタリガニを表した幸亮太さん(高岡市)の日本画や、宇宙を内包するカボチャの形をした宇宙船を描いた能島芳史さん(富山市)の油彩画など、作家の内面を浮かび上がらせた作品が並ぶ。
作品を鑑賞していた富山市弥生町の主婦、青山眞實(まみ)さん(67)は「迫ってくるように感じる絵画や意表を突かれるような形の彫刻など、バラエティーに富んだ作品が並んでいて楽しめた」と語った。
環水公園には廃材などを組み合わせ、地面からわき起こるエネルギーを表現した岡部俊彦さん(砺波市)のインスタレーションのほか、フチガミヒロさん(富山市)や米田昌功さん(同)の作品も展示されている。
8月27日まで3期にわたって作家を入れ替えて展示する。7月11日からは、今回新たに会場に加わった富山市の県民会館分館「内山邸」にも作品を飾る。
実行委と県美術館主催。県民福祉公園、県文化振興財団県民会館、北日本新聞社共催。