鮮やかな花を咲かせた県開発品種のユリ=小矢部市松尾

鮮やかな花を咲かせた県開発品種のユリ=小矢部市松尾

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幻のユリ イノシシ被害乗り越え開花 小矢部、県開発品種守り続け

北日本新聞(2021年6月29日)

 小矢部市の園芸農家が1戸で守り育てている県開発品種のユリが、今年も鮮やかな花を咲かせた。28日は、山の緑や青空にオレンジ色が映えた。

 県は1994年から2003年にかけて、小ぶりな花びらが特徴の「姫華」や「ピュアリス」「ほの華」など21種類を開発した。しかし普及が進まなかったことから、開発に携わった同市松尾の松井秀明さん(72)が球根を譲り受け、98年ごろから栽培を続けてきた。

 一時は年間4千本を県外に出荷するまで増やしたが、安価な外国産に押され年々縮小。近年はイノシシに球根を食べられる被害が発生し、約700本まで減少した。松井さんはユリを販売せず品種を守る考えで「幻と呼べるほど減ったが、せっかく富山で生まれた品種をなんとか残したい」と話している。

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