7月末に一般向けにお披露目する能登ジン=珠洲市飯田町

7月末に一般向けにお披露目する能登ジン=珠洲市飯田町

石川県 輪島・珠洲・能登金剛 特産

珠洲産ユズ使い「能登ジン」を開発

北國新聞(2021年6月30日)

 金大の能登里山里海SDGsマイスタープログラムを受講した会社員松田行正さん(51)=東京出身=は29日までに、珠洲市産のユズや月桂樹(げっけいじゅ)を用いた蒸留酒「能登ジン」を開発した。7月31日に能登町の障害者支援施設で初披露し、奥能登の産業振興に一役買う。豊かな自然に引かれ、珠洲に移住した松田さん。将来は蒸留所を設ける構想を描き、「能登ジンを通して能登の良さを発信したい」と意欲を示す。

  〈飯田に事務所兼倉庫〉

 松田さんは洋酒好きが高じて、いつか自身の蒸留所を持ちたいと考えていた。昨年8月から、珠洲市三崎町小泊の金大能登学舎などで学び、能登ジンの商品化を研究。珠洲産ユズをベースに香りを付け、能登島産の藻塩を用い、客の注文に応じてジンを作る英国の蒸留所で試作品を作った。

 英国から届いたサンプルはかんきつ系の爽やかな香りに仕上がった。商品化にめどが付き、酒の小売りに必要な免許も取得。能登町立壁の「日本海倶楽部」で開かれる映画上映会に出展し、初披露することを決めた。能登ジンとともに所有する酒関連の本も持ち込む。

 松田さんは能登ジンの魅力を広めるため、珠洲市飯田町に輸入販売会社の事務所兼倉庫を構えた。当初は「一日も早く始めたい」と、珠洲以外で手頃に入居できる物件に事務所を置こうと決めかけたが、世話になった金融機関職員に「単にもうけるだけの商売をしたい訳ではないでしょう」と言われ、思い直したという。

 飯田町の空き物件の貸主が顔見知りだったこともあり、「SDGs(持続可能な開発目標)の考え方や商品コンセプトにもかなう」と、地域資源を生かした商売を学んだ地に戻った。

 「マイスタープログラムで学んだことを地域に還元したい」という松田さん。秋頃にはネット通販を開始する。ホームページは酒だけでなく、心に残った奥能登の風景の紹介に力を入れており、「能登ジンを知った人が、能登に足を運ぶようになれば、うれしい」と、奥能登の盛り上がりにも期待している。

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